2010-03-05 (Fri)
早くも3月。

学校も先生方の年度末の様々な作業のために
子供達は午前授業で早く帰ってくる・・・


・・・のに、のび太小学校では
午前授業の時は必ずお弁当を持参。

早く帰ってくるんだったら
家で食べれば良いじゃん!!!


お弁当作りに四苦八苦の母親達は思うのだが
これにも理由があるのだ。




以前、私達が住んでいた家(賃貸の一軒家)の向かいに
のび太と一日違いで同じ病院で生まれた子がいた。
(たまたまです)

その子の2つ上に女の子、
さらに上に小学生のお兄ちゃん、
このお兄ちゃんだけ前のお父さんの子供。

そのお兄ちゃんは当時2年生。
独特な雰囲気の子だった。

夜中、近所中に響き渡る怒鳴り声で叱られて、
家を出されるお兄ちゃんKくん。

そんなときは歩いて15分くらいの
おじいちゃんの家に歩いて行ってたらしい。

15分程度歩いておじいちゃん家に行けるならいいよね、
とはいえ、小学生が夜中に
それもこの辺は人も車も夜中にはほとんど通らない。

街灯も少なく真っ暗な夜道を一人で歩く・・・

ある日、夜中に外が騒がしかったので見ると、
消防車やパトカーが来ていた。

叱られて外に出されたKくんが
ライターで火遊びをしていたらしい。

ゾッとする。




そのKくんと同級生の子Rくんがいるお母さんの話。

幼稚園の時にRくんがお母さんに

「Kくんのお弁当のおにぎりが食べたい」
と言い出した。

Kくんがどんなに美味しそうなおにぎりを
持って来てるのかと思ったら、
コンビニのおにぎりだったらしい。

幼稚園児にとって逆にコンビニのおにぎりが
羨ましく思えたのかもしれないが
Kくんのお弁当は毎日のように
コンビニおにぎり2個のみ、だったらしい。


のび太と同級生の子が
のび太と違う幼稚園に通いだした頃、
Kくんのお母さんはどうやら水商売を始めたらしかった。

しばらくするとそのお店に来ている
お客さんらしきサラリーマンが
日中、Kくんの家の前に車を止めて待っている。

そして、会えないと花束やプレゼントのようなものを
ドアノブに掛けて帰っていく・・・

何度かKくんと鉢合わせになっていた。

なんともキモチワルイ思いで向かいの家の私は見てた。



そうこうしているうちに、ある日の早朝、
大きなトラックが入ってきた。

トラックから彼女がやっていたお店の物と思われる、
看板やテーブルや椅子、業務用の冷蔵庫のようなものが
たくさん運び込まれた。

我が家と同じ間取りの6畳3部屋に大量の荷物が入った。

入りきれないものは外に放置された。

お店を閉めたためにこんな事になったようだ。

あの家のどこにアレだけの荷物が入り、
そこに子供3人と暮らせるのか?


時々、大家さんがいらして
日にさらされてほとんど剥がれ落ちている障子を見て、
心配そうになさっていた。



当時、小学校の給食費は地区ごとに
子供会で集金していたのだが、
このKくんの家庭はいつも居留守。
たまたま顔をあわせてもまともに支払ってくれた事がなく
いつも集金係の人は苦労されていたらしい。

当時は小学校も午前授業の日は
給食もお弁当もなく家に帰って食べる事になっていたが
このKくんの家ではお昼を準備しないまま
お母さんもどこかに行ってしまうのか留守らしく、
おなかを空かせたKくんが友達の家に行っては
「何か食べさせて」とせがんでいたらしい。

また、コンビニの前の地べたに座り
買ったお弁当を食べているKくんを
たくさんの人が何度も見ていたらしい。

この辺の小学生でお弁当を買い食いする小学生なんて
ありえない話なのだ。



それ以来らしい。

学校が午前授業でもお弁当を持たせて、
食べさせてから家に帰すようになったのは。




Kくんの弟Yくんと同級生ののび太。

Yくんは朝ごはんを食べてこないらしい。
(健康調査とかいうのを毎朝していて
 その時、いつも『朝食を食べない』に
 手を挙げているらしい)

「だからYくん、いつもイライラしてるんだと思う」

と、のび太。


でも、参観日に教室に掲示されてた作文でYくんは

「ボクのお母さんのお料理はとても美味しいです。
 いつもご飯を作ってくれてありがとう」

と書いてたのが何とも言えず切なかった。





最近、また、子供虐待の悲しいニュースを聞く。


しかしKくんYくんはニュースの子たちとは違う。

虐待か?と言われたらそうとも言えないだろう。

彼らはちゃんと成長しているし、
最低限の食事はしているんだと思う。

近所におじいちゃんの家もあって
今では学校からおじいちゃん家に帰っているらしいから
食事については大丈夫なんだと思う。



だけど、心のどこかに満たされない何かを
抱えている事には間違いないと思うのだ。

せめて、幼稚園の時ぐらいご飯を炊いておにぎりだけでも
お母さんの手でにぎってあげたら・・・


以前、記事にした虐待の話にしてもそうだが、
(詳しくはこちら→「子供を守れ」)
悲しい出来事はニュースの中だけの話ではない。




実質的には虐待とはいえないだろうが
子供の心の中ではどう感じているだろう。




食事は命の基本だ。

精神的にどん底になっても
ご飯を美味しく食べられる事で
私の心は不健康じゃない、と判断する事もある。



療育で言われた事がある。

「フルタイムでお仕事をしているお母さんもいて
そうでなくても何倍も手のかかる子供を育てて
本当に大変だと思う。

お掃除しなくても、2日くらい洗濯しなくても
命にかかわる事はないから
疲れたら堂々とサボりましょう。

ご飯も今はスーパーでもコンビにでも
手作りよりも安くて美味しいものがたくさんある。
だから疲れたら大いに活用しましょう。

だけどご飯だけは何かひとつでも
お母さんの手をかけてあげてください。
例えばおかずは買ってきてもご飯は炊く、とか
お弁当を買っても味噌汁だけは作る、とか
レタスをちぎってトマト乗せただけのサラダでもいいから
最低ひとつで良いから手をかけてあげてください。

そして、どんなに疲れていても
小さい子は寝る前に「大好きだよ」と
抱きしめてあげて下さい。

それだけで昼間、叱りすぎたな~って後悔してることも
帳消しになります(笑)」




私は今でもこの先生の言葉を肝に銘じている。







「あ~腹減った~」

と言いながら起きて、
ご飯にがっつくのび太を見ながら、
餓死で亡くなった子供達のニュースに
怒りと悲しみの気持ちを抑えながらも
Kくんは今朝、朝ごはん食べたかな?
などと、思ったりする朝だった。







スポンサーサイト
| 母のつぶやき | コメント(6) |







管理者にだけ表示を許可する