2010-02-10 (Wed)
のび太が診断されてすぐ、
「光とともに・・・」というマンガに出会った。

知的障害を伴う自閉症の子、光くんと
その母親幸子さん。


光くんの自閉症独特の行動にのび太を重ね、
それに戸惑い周囲の無理解に悩む幸子さんに
自分を重ね、

一緒に涙して読んでいた。


のび太が年長の時、「光とともに・・・」は
ドラマ化された。

当時、通っていた療育でも毎週、話題だった。

あの頃、療育仲間の母親達は
ドラマ化して無理のあるストーリーに文句を言いつつも
みんなが幸子さんだった。

そして、子供たちはみんな光くんだった。



きっと、日本中で同じ思いで、
あのマンガやドラマに自分達を投影させて
涙したり笑ったりしていたに違いない。


のび太の幼稚園の卒園アルバムに
大きくなったら「野球選手になりたい」とか
「ケーキ屋さんになりたい」という
キラキラした夢の狭間に
未来を想像できないのび太に代わって
当時、得意だった「折り紙とあや取り名人」なんて
それこそぼんやりしたことしか
書いてやれなかった私。




保育園の卒園式で光くんの代わりに幸子さんが

「明るく元気に働く大人になります」と

宣言した。


その言葉はすべての自閉症児を持つ親の
切実な願いだ。


今、目の前のパニックさえ対処できない自分に
その時は遠い将来と思っていた未来を
初めて考えさせられた一言でもあった。



光くんは小学校に入学し、
それを追うようにのび太も入学した。

光くんが経験するあれこれは
のび太がその後、経験するものとは少しずつ
違っていった。

特学に在籍する光くんと、普通クラスののび太。


しかし、光くんの周囲にはいつも
のび太タイプの自閉症児も登場していて
知的障害が無いゆえの辛さや世間の無理解さを
描いてくださった。


環境も周りの目も光くんとのび太では
明らかに違ってきたかもしれない。


しかし、
「明るく元気に働く大人になる」という目標は
変わることはない。




中学に進級した光くん。

光くんの未来に誰もが我が子を見ていた。

そして、光くんが
「明るく元気に働く大人になる」姿を
心待ちにしていた。




このマンガは世界各国でも出版され、
かなり話題にもなっていたらしい。

世界中で光くんに我が子を見ていた親が
たくさんいるのだ。





作者の戸部けい子さんが亡くなられました。

きっと「明るく元気に働く大人」の光くんを
描けなかったことを
一番、残念に思われているに違いない。




この先の光くんの将来を描いていくのは
私たちの子供たちだ。






戸部けいこさんのご冥福をお祈りいたします。




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