なかなか子宝に恵まれず、不妊治療をしていたのだ。
だから、早い時期に子宮外妊娠が発見でき、
早く対処できたから事なきを得たけど、
そうでなければ命の危険もあるのが子宮外妊娠だ。
もちろん、子宮外妊娠だから
どうやっても産まれる事の出来ない命である。
その産まれる事の出来ない命と向き合いながら
自分の命も案じつつ、ただ様子を見るだけの入院。
結局、自然に流れてしまう形になったらしく、
手術をすることも無く、妹の命も体も傷つけることなく
その命は姿を消した。
自然に流れていくことで
母体を守ってくれた命の重み。
のび太の冬休みの宿題に
「『2分の1成人式』に向けて、産まれた時から一年ごとに
成長の様子を親に取材する」
というのがありました。
思わず「えええええ~~~~~?!」と叫んでしまった私。

んなわけない!
忘れるどころか、1年分をたった2,3行にまとめる事の方が
難しいほど、エピソードが満載なんだから・・・(汗)
出産の時、1歳まで、そして1歳の頃、2歳の頃・・・
と、あふれんばかりのエピソードの中から
絞りに絞って話したことを、のび太がメモしていく。
最後に・・・
「親に話を聞いてみての感想」という欄。

と、ぼやく。
それも涙目で。
読書感想文、行事の感想、社会科見学の感想・・・
どれもこれも、毎回、のび太を悩ませてきた。
書くと、読書感想文はあらすじのみの描写になるし、
行事や見学の感想も予定表を書いているように
なってしまう。
「自分がそのとき、どう思ったかを書くんだよ」
と、言っても、
「どう思ったか・・・って、わかんないよ」
ってことになる。
アスペタイプの人の中には文才に長けている人も
たくさんいて、
素晴らしい表現力の方たちも多いのだが、
のび太は全く苦手なタイプ。

みんなに『育ててくれた親に感謝してほしい』とか
『命を大事にしてほしい』とかって思ってほしいんだよ。
だから、そういう風なことを書いたら?」

・・・と、迷いに迷って、書き上げた「感想」・・・
「ぼくのお母さんはなかなか赤ちゃんができませんでした。
子供って産まれるまでも産んで育てるのも
ほんとうに大変なことなんだなあと思いました。
命はとても大切なものです。
ぼくは、これから一日一日を大切に生きていこうと
思いました。」
じゅわ~~~ん・・・

去年、やっと初めていとこが出来たけど(義兄に第一子)
赤ちゃんって簡単に出来るものじゃないんだよね~
だから、大切に生きなくちゃって、思ったんだ。
せっかく生まれてきたんだから。」
痛い・・・痛かった・・・
この宿題は私にとっても改めてのび太と向き合う機会になった。
妊娠したときから、1年1年たどって行く・・・
以前にも記事にしたけど
どの時期を思い返しても、笑顔ののび太しか思い返せない。
そんなはずは無いのだ。
だって、あれほど激しいパニックだらけの毎日に
私は毎日、泣いていた時期すらあったはず。
それなのに、どうしても笑顔ののび太しか思い出せない。
そう。
私は育てづらいパニックだらけののび太の子育てが
正直、楽しかったのだ。
だって、子供は授からないと思っていたのに
神様は何故か、突然、私にのび太を授けてくれた。
でも、その授かったのび太の子育てはハンパじゃなくて
辛くて私も散々泣いてたけど、
だけどこのユニークで型破りの子供ののび太が
可愛くて可愛くて仕方が無かったのだ。
「ああ、この子、自閉症だ」って
自分で調べてわかったときも、どこかでホッとしてた。
そして「アスペルガー症候群です」って診断されたときは
もっとホッとして、帰りにケーキを買って帰ったんだった。
のび太の障害にとやかく言われた時もショックだったけど、
その立ち向かっていく闘争本能に
何故か、ある意味、喜びみたいなものすら感じていた。
なんだろう?
不思議で仕方が無い。
すべては「のび太マジック」とでも言えるかもしれない。
命、とは、人の価値観すら変えてゆく。
その重み。
簡単に妊娠して、簡単に殺してしまう人もいる。
そんなニュースを見るたびに、のび太は、
「せっかく生まれてきたのに・・・」と言う。
兄弟もいないのび太。
いとこも10歳までいなかったのび太。
子供が授からないと思っていた私のところに
生まれてきてくれたのび太は、
きっと、魂の奥深いところで
命の重みを知って生まれてきたのかもしれない。
きっと、のび太くんもそうなんだろうなーと思います。
あと、発達障害者の人たちというのは、死生観が発達している人が多いという文章も本で読んだことがあります。
どちらも当てはまっているのかなーと思いました。
良いお話が聞けて嬉しくなりました。
まっぷーサンとは違って、ダメ母の私は、
大変だった事も、うれしかった事も、
すべて忘れてしまっています。
特に、二男が産まれてからの1年は、
本当に何も覚えていません。
うちの長男には、そのような宿題は無かったように思います。
やっぱり、まっぷーサンを見習わなくちゃですね。
コメントありがとうございます。
そうですね。
子供は親を選んで生まれてくる、といいますね。
そうだとしたら、きっとのび太は
自分と同じ感覚の親を探していたのかな?
と思います。
のび太は思っていることを言葉で表現することが
苦手なのですが、
こういうことを思っていたのか・・・と知って
我が子ながらちょっと感心しました。
コメントありがとうございます。
私はしのびーさんが思っているような
いい母親じゃないですよ。
私に言わせればしのびーさんの方が
よっぽど尊敬に値する母親だと思っていますもの。
何も覚えていないほど大変な子育てだったんだと
察します。
妹へのお気遣い、ありがとうございます。
しのびーさんも卵巣手術されてるんですね。
私も2度手術しました。
不妊治療もしました。
そんな私を見てきたせいか、妹も肝が据わっています。
やはり、乗り越えられる試練しか
神様は与えないのでしょうね。
コメントありがとうございます。
妹へのお気遣い、ありがとうございます。
上のしのびーさんのコメントにも書きましたが
私の2度の手術、不妊治療などを見てきている妹なので
なかなかしっかりしています。
私も一度は子供をあきらめたことがあるので
秘密さんのお気持ちも察します。
私は無宗教ですが神様はそんなイジワルなことは
しないと信じています。
きっと、子供を授からない人生を学びなさい、
っていうことなのではないでしょうか。
いくら望んで授かった子供でも子育ては
やはり足かせになることもあります。
そういうしがらみの無い人生を楽しむ、と言う風に
妹は考えることもあるようです。
そんな風に思えたほうが自分の事を
幸せにしていけるような気がしています。
私もやっと一人授かりましたが二人目は
授かりませんでした。
予定外に4人、とか5人、とか簡単に出産できる人が
周りに結構います。
ねたんでも羨ましがってもどうにもならない、
それよりも、今の自分の生活に
喜びを見出して生きたいと思っています。
私のコメントで悩まれていたらごめんなさい。
考え方は人それぞれ。
私の考えを押し付けるつもりはありません。
ただ、ポジティブな考えの方が
自分を幸せに出来るような気がします。
「僕は何のために生まれて来たん?こんなに悪いのに何で?」
「みんなを嬉しい気持ちにさせるためだよ」と答えましたが
本当はもっと意味があると感じています。
娘が叱られている時、背中を向けて遊びながら
「もうやめて。やめてあげて」とつぶやく息子。
「いっぱい言われたってわかんないし、出来ないんだよ!」
何も言えず、声も出さずにポロポロと涙を零すばかりだった娘。
そんな娘の辛さを息子が教えてくれました。
そんな息子が暴れだすと、今度は娘が
「お母さんが困るから叩いちゃダメ!」と止めに入ります。
自分も巻き添えで叩かれるのに、その時だけは泣かずに私を庇ってくれます。
姉弟ケンカもするけどお互いのことを大切に思ってくれているようです。
タイプは違うけどグレーゾーンの子供たち。
お互いに助け合う為に同じ家にやってきたんだと思います。
生まれる前から姉と弟だったようです。
息子を授かる前から娘は「お母さん、弟はいつ来るの?」と言っていました。
「弟が来るの?」と聞き返すと「うん!お腹の中でね、ずっと一緒だったよ」と・・・
不思議な子達です。
最後になってしまいましたが、妹さんの一日も早い快復とお母さんを救った小さな命のご冥福をお祈りいたします。
お返事が遅くなってごめんなさい。
私の方こそいろいろ書いてしまってごめんなさい。
これからもよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
お返事遅くなってごめんなさい。
素敵なお話ですね。
お子さん達は本当に生まれる前から
不思議な絆があったのでしょうね。
私も息子がわたしのところに生まれたことって
簡単な意味だけではなくて
本当に深い何かがあるような気がしてなりません。
「縁」って不思議です。
私と旦那の縁も本当に不思議なものを感じてますし、
まして自分が産んだ息子は
もっともっと深くて意味のある事のような気がして。
妹のことまでお気遣い、ありがとうございます。
形になることさえもなく消えた小さな命も
本当にいろんなことを教えてくれました。